2013年9月17日火曜日

Cookie Clickerにハマった人に贈る、PC向けIdle(放置)系ゲームまとめ

 皆さん、クッキー、焼いてますか。


 世にはIdle(放置)系ゲームというのがありまして、ちょこっと操作をして後は数字が増えたりするのを眺めるだけ…。という、無意味に思えてついついハマってしまう恐ろしいジャンルです。
最近TwitterでよくCookie Clickerの名前をよく見るので、クッキー焼くついでに進められるIdle系ゲームを簡単な解説と共にまとめてみます。

1.Cookie Clicker

さて、早速ですがコレ。
最初は数十枚のクッキーをポチポチと焼くのみですが、設備を購入するごとに爆発的に増えるクッキーの数が魅力。

それからGrandma(おばあちゃん)の超進化っぷりも見どころと言えるでしょう。
片手間にやりたい人にオススメ。

2.Anti-Idle: The Game

 Idle系ゲームの巨塔。Anti-Idleという名前の通り、ちょこちょこと手入れをしながら資産を溜めて設備を整えていく感じのゲームです。
しかしCookie Clickerと違い、出来る事の数が多すぎ!!栽培や釣り、単純なボタン連打からミニゲーム集、更にはかなり本格的なRPGやカードゲームまで内包しています。
正にゲームの遊園地!!もちろん片手間でやるのにも向いてますが、気付いたらずっと触ってます。

 この手の盛り沢山ゲームとしてはPingy The Ping Idle RPGも挙げられます。
こちらはゲームの進行が遅めなのでじっくりやりたい人向き。

3.Epic Combo!

 助けた亀に連れられて…、ではなく、亀をシバいてお金を稼ぐゲーム。
指数関数的に増えるコンボ数とお金が気持よく、30分程で終えられる小粒なゲームです。
類似のゲームに、亀ではなくコインボックスをシバくCoinbox Heroがあります。

4.GrindQuest Censored

MMORPGの金字塔、WoW(World of Warcraft)をインスパイアした放置RPG。
インスパイアが過ぎた(アイテムグラフィック等をほぼそのまま流用していた)為か、各所で削除を食らったものの自主規制版として復活。
見た目はショボいがそのゲーム性は本物で、海外での人気は非常に高い。
スキルビルドや装備作成など考える事も多く、ただ放置するだけでは物足りない人向け。

 同様の放置系RPGにはBattle without Endがあり、こちらは比較的単純で、ランダムな性能のアイテムがドロップするシステムなど、Diabloシリーズのトレハン的な楽しみもあります。

5.Candy box!

海外では大いに話題になったテキストベースのRPGゲーム。
クッキーではなくキャンディーをやりくりし、ダンジョンを踏破して行く。
最初は何をしたらいいかわからないかもしれないが、そういう時はとりあえず放置だ!
後から後から出来る事が増える為、遊びつくすにはそこそこの時間がかかる。
テキストベースという事もあり、シャレの効いた文章も多いので英語の得意でない人は辞書と一緒に臨んで欲しい。

 10月にはCandy box 2がリリースされるそうな。

 同様のテキストベース放置系RPGにはA Dark Roomがあり、こちらはもう少し複雑なシステムであるものの、テンポ良く進む。小粒ながら探索の楽しみも味わえて良い。


6.Progress Quest

 究極の放置ゲーム。
キャラクターの名前・種族・職業・初期ステータスを決めたら、後は放置のみというお手軽にも程があるゲーム。
Web版とPC版があるが、ブラウザを開かずとも常駐させられるPC版の方がおすすめ。
ファンタジーじみた英単語の羅列から、想像を逞しく出来る人しか楽しめないかもしれない。
サボテンの成長を見守るようなゲーム。


 いかがでしたでしょうか。気に入りそうなゲームはありましたか?
めぼしい所はあらかた紹介したと思いますが、もっと他のゲームも知りたい!という方はKongregateのIdleカテゴリなどをあたってみるとよろしいと思います。

 

2013年9月13日金曜日

Amnesia -A Machine for Pigs- レビュー


全世界のゲームファンを恐怖のどん底に陥れた
名作ホラー・ゲームの続編

 Amnesia:The Dark Descent(以下TDD)というタイトルをご存知だろうか。
インディーズゲーム界をまたたく間に席巻し、ゲームそのものの人気もさながら、Youtubeでの実況動画など、海外のインディーズ・ホラーゲームブームの立役者と言っても過言ではないビッグタイトルである。
 本作はそのTDDの続編となるタイトルで、前作にダダハマりした筆者は一も二もなく飛びついた次第である。

 本記事では、多大なプレッシャーの中生み出された続編がいかほどのものか書いていこうと思う。


受け継がれた独特のシステムと、調整されたゲーム・プレー&新要素

 Amnesiaと言えば、今まで有ったようで無かった一人称視点・戦闘無しのホラー・アドベンチャーゲームだ。
主人公は敵に対しての対抗手段を持たない。すなわち、銃もなければ武器もなく、カメラで撮影して敵にダメージを与えるなんていう力はもっての他だ。
脅威が現れれば息を切らして逃げ惑うしかなく、味方も居ない中で謎を解き明かしていかなければならない。

 その潔いまでにプレイヤーに恐怖を感じさせるシステムにもいくつかの変更点がある。

・体力ゲージは廃止。戦争FPSゲームでお馴染みの自動回復システムに。

 前作TDDでは体力ゲージがあり、追跡者の攻撃を受ければ必要に応じて回復する必要があったのだが、これは廃止に。
プレイヤーの不安を煽るには有効だったが、前作TDDにおいては結局体力を回復せずとも死亡すると直前からやり直せた上に、回復アイテムがあまりがちだった為、「体力とか意味ないじゃん!」という機能不全な感はあった。

・前作まであったSanity(正気度)ゲージも廃止

 前作TDDには、プレイヤーの精神の均衡を表すSanity(正気度)ゲージがあった。
体力の他に自分の精神衛生にも気をつかう必要があった訳だ。
モンスターを正視したり、暗闇に長時間要ると徐々に精神の均衡を失い、幻覚が起きたり、足元がもつれてころんだり、モンスターに発見されやすくなったりするデメリットがあった。
今作ではこれも廃止されており、プレイのテンポが良くなった。

・光源はリソースを消費せず、無限に使用可能に

 シリーズ通して、ほぼ暗闇ばかりの中を駆け抜けるこのゲームにおいて光源は超重要である。
前作のオイル式ランタンとうってかわって、今作では電気式の懐中電灯のようなランタンを用いる事になる。
体力ゲージと同様、ランタンもオイルが余りがちだったりと不安を煽る要素でありながら枯渇の心配がないという状態だった為、スポイルされて良かったとは思う。
新しい電気式ランタンも、敵の存在を知らせる様にカチカチと嫌な音を立てて瞬いたり、消えて欲しくない所で消えたりと更なる恐怖の演出に一役買っている。


・野外シチュエーションという新たな試み

 Amnesiaと言えば、屋敷や地下など、閉鎖された空間で逃げ惑う恐怖が大きくフィーチャーされていたのだが、今作では外に出るシチュエーションもある。
もちろんすぐに屋内へと案内されてしまうのだが、外に出て恐怖が薄れるかと思いきやその逆で、不思議と孤独感が増されて、また町並みが不気味に見えて効果的な演出となっていた。


・おなじみのThe Gatherersも新しい敵に

 もはやマスコットキャラ的な扱いを受けている前作の敵、The Gatherers(余談だが主に露出しているのはServant Gruntsという種類の方で、もう一種類見た目の違う強化版が居る)は今作ではお役御免となり、新しい敵に成り代わっている。
インパクトの強い彼らだったが、今作では違う方向にショッキングな見た目となっている。
前作の様な得体の知れない奥深い恐怖はなりを潜め、直接的・物質的な恐ろしさと、ある種の哀れみを感じさせる。

・インベントリ廃止。アイテムの回収は文章のみとなり、キーアイテムもクリックで掴んで持ち運ぶ方式に

 前作TDDにおいては、アドベンチャーゲームではお馴染みの、クリックでキーアイテムを持ち物として回収し後で使うシステムがあったがそれも廃止されている。
これによりアイテム回収のわずらわしさは減ったが、オイルや回復アイテムを回収出来た時の安心感と恐怖の対比などもスポイルされており一長一短。
ただ、キーアイテムをクリックして持ち運ばなければいけないシステムは功を奏しており、迫る敵に焦りながらアイテムを抱えて逃げ惑ったり、はたまたうっかり重要なアイテムを敵の居るエリアに忘れて来た、なんていう事もあったりと演出としては大成功している。


総括・より遊びやすくなり、ゲームとして洗練された新作!しかし怖さは…。

 今作はとにかく前作に比べてテンポ良く、楽しく、お化け屋敷の様に楽しめる仕上がりになっている。
アイテム回収の手間は省かれ、モンスターとの遭遇はお膳立てされたステルスゲームの様だし、ホラー映画の様に演出が凝っている。
しかし、その半面で前作にあったクトゥルー的な、全く得体の知れない恐怖や、暗闇の中迷いながら逃げ惑う恐ろしさ、オイルや回復アイテムが枯渇するのではないかという不安感はかなりスポイルされてしまっている。
 正直に言って、モンスターは前作の方が遥かに恐ろしく、今回のモンスターの造詣は慣れて来ると可愛くさえ感じてしまう程だ。

 ただ、まったく恐ろしさがないかという訳ではなくて、よく練りこまれたスクリプトは何度も筆者に叫び声をあげさせたし、オイルや体力の管理に煩わされる事なく先へ進む事に集中出来るのは利点でもある。
 前作があまりにも恐すぎたのだ。

 一長一短なシステムの変更点や優しくなったホラー要素を踏まえてもAmnesia -A Machine for Pigs-はそんじょそこらのホラーゲームよりよく出来ており、前作のファンには「前作よりは怖くないよ」と注意した上で。カジュアルプレイヤーやホラーゲームに飢えた人には胸を張って薦められるタイトルだ。

今回のレビューより、評価にSSからEまでの7段階評価を使おうと思う。

評価:A

買って損なし!ただし、前作のファンは少しガッカリするかも…。